八嶋有司の映像インスタレーション《The Dive – Methods to trace a city》は、身体の非計算性と緻密に設計された映写空間を合わせ持つ作品として国内外の展覧会で紹介されてきました。
《The Dive – Methods to trace a city》の制作プロセスは、現代の多くの作品と同様に、ハードウェア/ソフトウェア、物理/仮想という境界をシームレスに行き来する複雑なものであり、「何が」描かれているかという表象の理解だけでなく、それが「どのように」生み出されたかいう、私たちの社会やメディア環境への視点を含んでいます。
この展覧会では、そのような作品の制作プロセスを設計とアーカイブの往還運動の中に捉え直すことを目標にしています。
そのことを示す試みとして、《The Dive simulator》を合わせて開発・公開し、制作プロセス自体を作品や鑑賞と結びつける構成をとりました。
現代のメディア環境と芸術作品の創造過程との関係を示す一助になることを願っています。
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